UIデザイナーが「つまらない」と言われる理由
デザインにはルールがあり自由度が低い
多くの人がUIデザインを「つまらない」と感じる一つの理由は、デザインに制約やルールが存在し、自由度が低いと感じられるからです。UIデザインの基本目的はユーザビリティの向上にあります。つまり、「使いやすさ」や「わかりやすさ」といった機能性が重視されるため、結果的に斬新さよりも親しみやすさが求められることが多いのです。
どちらかというと定性面ではなく定量面を強く意識する必要がある
UIデザインでは、「かっこいい」や「かわいい」などの感覚的な要素よりも、ユーザーの行動データや定量的なフィードバックに重点を置くことが一般的です。例えば、ウェブデザインやアプリデザインにおいては、GA4(アナリティクス)やヒートマップといった分析ツールを使用して、デザインや導線を評価し、目標値を達成するまで改善を続けます。このように、UIデザインは創造的なインスピレーションよりも、根拠や数値的な裏付けが求められる場面が多いのです。
デザインの本質:問題解決の手段
UIデザインへの偏見
ただし、これら理由に挙げられる背景としては、UIデザインのことを良く知らない人がなんとなくこじ付けたり、デザインの良し悪しが数値化されはっきりしてしまうと困る人たちの言いわけだと思っています。UIデザインは、最終的なユーザーのニーズに応えるために、実用性と使いやすさを重視した問題解決のプロセスです。そのデザインで問題や課題がクリアできるのか?ということです。
おしゃれでかわいいデザインができないのか?
では、おしゃれでかわいいデザインができないのか?と疑問を持つかもしれませんが、答えは「いいえ」です。デザインの目的が明確であれば、魅力的なビジュアルも効果的に組み込むことが可能です。
例えば、【おしゃれでかわいいデザイン】を作るとしたします。
(いろいろ省略して2W1Hでポイントに絞る&あえて定性的に書きます)
- 誰に向けたデザインなのか
対象となるのは子供、男性、女性、特定の年代や職業など、多様なグループがあります。ターゲットに合わせたデザインが求められます。 - おしゃれでかわいいをデザインでどう表現すればいいのか
ターゲットに対してどのようなデザイン手法を用いれば効果的に「おしゃれでかわいい」を伝えることができるかを考慮することが大切です。
この段階でなんとなくわかってきたんじゃないかと思いますが、HOW(どのように)の部分はデザインで表現(伝える)する必要があるわけです。
多くの見せ方、伝え方などをデザインスキルとして身に着けているデザイナーは、それだけたくさんの選択肢(手段)を持てるわけなので、仕事では優秀なデザイナーとして扱われるでしょう。
UIデザイナーはデザイナーの進化版
UIデザイナーはデータ(結果)を基にデザインの改修ができる
UIデザイナーはユーザー行動の分析データやフィードバックを活用して、デザインを定期的に見直し、改善します。良いUIデザインでは、ユーザーのクリック、スクロール、ナビゲーションの選択などの行動が記録され、これらのデータを基にデザインの有効性を評価することができます。この分析により、どのUI要素が効果的で、どの部分がユーザーにとって障壁となっているかを客観的に把握できます。これは、UIが直感的かつ効率的に機能しているかを判断する上で重要です。
UIデザイナーは、改修内容の「なぜ」を数値で裏付けた根拠で説明できる
UIデザイナーは、デザインの改修を数値で裏付けた根拠をもってクライアントに説明できます。たとえば、ユーザーの行動データを基にして、特定のボタンのクリック率が低いことを示し、その改修提案をします。このアプローチにより、デザイン変更の必要性が明確かつ客観的にクライアントに伝わります。
まとめ
- デザインの自由度に関する誤解: UIデザインはルールに基づくため、純粋に「デザインだけを楽しみたい」という人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。しかし、これらのルールは最終的にはユーザー体験を向上させるために不可欠です。
- UIデザイナーの役割の進化: UIデザイナーは単なるビジュアルデザイナーから進化し、データ駆動型の問題解決者へと変わりました。彼らは美しさだけでなく、機能性とユーザビリティを重視し、ユーザーのニーズに基づいたデザインを提供します。
- データとフィードバックの活用: UIデザイナーはユーザーの行動データとフィードバックを活用してデザインを評価し、改善します。これにより、直感に頼るだけでなく、実際の使用状況に基づいた改善が行えるため、より効果的なUIが実現します。
- クライアントへの説明能力: UIデザイナーは改修の必要性を数値データで裏付けることができるため、提案の信頼性が増し、クライアントからの理解と支持を得やすくなります。これは、ビジネスの現場でのコミュニケーションと決定過程において非常に重要です。
おすすめの専門学校・スクールをチェックしよう
UI/UXデザインを本格的に学びたい方は、特に初心者や社会人におすすめのUI/UXデザインスクール専門学校入門ガイドをチェックしてみてください。体系的なカリキュラム、実践的なプロジェクト、プロの講師からのフィードバック、そして同じ目標を持つ仲間とのネットワークなど、専門スクールのメリットをフルに活用して、効率的にスキルアップしましょう。
教育訓練給付制度を利用してUIデザインが学べるデザインスクール
雇用保険の被保険者、または過去に被保険者だった方が条件を満たせば、厚生労働大臣指定の専門実践教育訓練を受講し、修了することで、学費の70%(最大56万円)が支給されます。これにより、非常に少ない自己負担で、ITスキル標準(ITSS)レベル4相当以上の高度なスキルを習得するチャンスがあります。